日時6月×日午前8時30分ごろ
場所ブルックリン発マンハッタン行きD Train車中
対象洋服に黒を取り入れている人
結果10人中6人+僕(黒なし)
それにしてもNYの人たちは黒が好きだ。寒くなってくると街は黒で埋め尽くされた感じがする。
格式ばった、悪、危険、クール、制服……。
日本人が黒から受けるイメージはこんなものだったはずだ、ちょっと前までは。好まれることよりも忌み嫌われる場合の方が多かったように思う。まぁ、今も昔も某自由業関係の方々には絶大な人気があるようだけれど。
Tシャツ以外で黒い服を着たことはほとんどと言っていいくらいにない。例外は矢沢永吉さんに憧れていた頃、ビートルズやストーンズを真似て黒いタートルネックを着ていたあの頃、そんなもんだろう。
1980年代の初頭、日本の街は黒一色で埋め尽くされてしまった。街行く若者たちの多くが黒い服を着ていた。あんな時代は後にも先にもないだろう。そんな人たちを年寄りはカラスと呼ぶ。ぼくの母などは「黒い服が流行るのは不景気の証拠」などと言っていたが、数年後バブルは最高潮に達し予言は見事に外れてしまった。
その後黒は日本に定着し、今では何の違和感もなく普通の光景となってしまった。
日本人に色としての黒を認めさせた川久保玲さんと山本耀司さんは服飾史だけではなく民族史にまで大きな足跡を残したと思うのは僕だけだろうか。
相変わらず黒は着ない。あの頃カラスだった人たちと小鳥だった人たちは全く別な道を歩み、今も歩んでいるような気がする。ただの色ではあるけれど、それだけでは片付けることのできないもの。
さてニューヨークの黒はどんな黒だろう?それが決して何にも染まらない色としての黒であるのならば、やっぱりぼくはまだまだ白の方が好きだ。
調べてみたら川久保さんも山本さんも戦中に生まれていた。
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