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ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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我が心のインスタント

昨夜と同じページを読んでる。


ざるそば、インスタントラーメン、トマトソースのパスタ……。
どれもめんどくさい。
冷凍ピザ。
昼食はピザだった。

本にはいりこめない。
活字のうわべをすべるだけの目に脳は空転をつづける。

チャーシュー、千切りキャベツ、ワカメとキュウリの酢の物、冷奴。
小さな余白を作り、夕方から食べたものを数えててみる。
ビールを飲みながらポツリ。
ポツリ。
そんな食べ方だとどこかに行っちゃうのか。

冷凍庫の中にご飯はないし。
いまから米をとぎ、炊き上がりを待つ気なんてさらさらない。
大量のネギと海苔をぶちこんだ納豆丼が何度も浮かんでは消えてゆく。
スニーカーのひもを結んで何かを買いに階段を下りるなんてのは論外。

午前2時の空腹。

おなかが落ち着けばすぐに眠ってしまうだろうし、
身体によくないことだってわかってる。
それでも止められない、止まらない。


ONアンドOFFでたっぷり30分は考えていた。
冷蔵庫の中を覗き込んではため息をつき、
本にかえる。
あくびをしながら戸棚の巡回をし、
寝ている猫の横にしゃがみこみヒゲの後ろをかいた。
活字を追いながら様々な可能性の模索。
冷蔵庫にねむる竜田揚げをこの時間に食べる勇気があればいいんだけど。


ページを繰りながら、
水色の大きなキャップが浮かび上がり、まわって、定着した。

ピーナツバター・サンドイッチ。

分厚く食パンに塗ってもう1枚を重ねる。
できれば片方にはグレープ・ゼリーを塗りたいんだが……。
ないんだ。

冷たいビールが喉をおチルノと同時に、やっと活字が脳に届きはじめた。
もちろん寝る。
もう。



朝、目覚めて味を見てみる。
昨日仕込んだぬか漬けがちょっとしょっぱい。
アイデアは突然湧いてくるもの。
竜田揚げとぬか漬けで作るサンドイッチもうまいかもしれない。


昼、誘惑。
屋台というのは匂いを流すのも営業のうちなんだろう。
抗いたい誘いをねじ伏せる。
今夜はカレー味のチキンを食べるのもいいかもしれない。



「ジャックです」と手を差し出す日本人だって
午前2時の空腹に、
ピーナツバター・サンドイッチを思い浮かべることはないような気がする。


さて、今夜は。
by seikiny1 | 2010-05-25 10:33 | 日ごろのこと
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