「予算」と聞いて思い浮かべるのはジュース。
炭酸飲料もなにもジュースと呼ばれていたあの頃。
「柔道部は予算でジュースを買ってます!」
毎年、生徒会の予算会議ではそんな意見が出てくる。
文科系のクラブから。
ボール、ネット、竹刀、バット、ラケット……。
実際、柔道部ほど金のかからないクラブはありません。
遠征試合の旅費程度。
それでも体育会系タッグ・チームのおかげで、
毎年「取らなきゃ損」な予算を奪取。
チューチュー・キャンディー。
ぼくらの地方では「ナガ棒」と呼んでました。
折ったナガ棒を浮かべて飲むコーラは最高においしいんです。
ぼくの好みはオレンジのナガ棒。
ニューヨーク州議会では今年もあの予算案が提出されました。
デブ税。
今年は「Penny Per Ounce」なんて名前まで付けて。
要は、
「ダイエットでない炭酸飲料なに税金をのっけよう」
税率は<1オンス(=30cc)につき1セント>
缶コーラ1本が12セント高くなるわけです。
「肥満は万病の元よ。あなた達の健康のため」
「あーたたちデブのせいで、医療予算がかかってしようがないんよ」
そんな大義名分という伝家の宝刀を振りかざして。
タバコの時とまったく同じ。
公衆の敵を見つける。
正義の味方だからいじめても拍手喝采。
日本でも大河ドラマ「天地人」の影響か、
<義>という言葉が注目されたようですが、
<義>に頼るのはここアメリカも同じ。
「はい、私は正義です」と胸を張る。
たばこは$11(1000円)。
大義だろうと、小義だろうと、
揺れ動くひとつの価値観であることに変わりはないのにね。
映画「カサブランカ」の中、タバコをくわえたボギーこそ男の姿だった。
「スカッと爽やかコカ・コーラ」だったんだ。
過去の価値観です。
デブ専なんて価値観もあります。
歴史に見る美人なんて、今見ればオカチメンコだっているし。
価値観なんてそんなもの。
沢田研二の歌が流れてきます
♪ボギー、ボギー あんたの時代はよかった
男がピカピカのきざでいられた……♪
「お釣りなんかいちいちもらっとったらですね、
お客をさばくことなんてできませんよ」
こたつに寝転がりながら見ていたテレビ。
魚市場近くで盛況中、ワンコイン食堂の店主が
「500円でやっていけるんですか?」
そんなインタビューアーの声に答えている。
印象的なシーンでした。
さて、デブ税法案が通ったら1ドルのピザ屋はどうなるんだろう?
缶コーラが$1.15じゃ面倒くさいから$1.25になるのか。
それでも、$2受け取って25セント硬貨を3枚返すのは面倒くさい。
たぶん現場だけでも3秒は余分な時間がかかる。
面倒→客がさばけない→回転率低下→売り上げ低下→ピザの値上げ
年にコーラなんて1本飲むか、飲まないか。
そんなぼくにもデブ税の滴がきっと降りかかってくることでしょう。
「やーい、タバコ税上がってやんの」
なんて喜んでいる人にもきっと何かの滴が引っかかっているはず。
ご本人が気づかないだけでね。
それにしてもタバコ農家は大丈夫なんでしょうか?
1本でも多くのソーダを売ろうと、深夜まで店を空けてるパパママ・ストア。
きっとデブ税の滴をもろにかぶることと思います。
「そんなにしてまで金が欲しいんかい」
「支出を削る甲斐性・能力を持ち合わせてないんかい」
今日の昼食は1ドルピザを2枚。
周りを見回してみると、
●テーブル席に坐る人=18人
●缶入りソーダを持つ人=12人
(うちNon-Dietを持つ人10人)
もちろんこの数は時間帯、場所にもよると思います。
フジテレビのアンケートと同レベルです。
ちなみに時間は14:00、場所はチェルシーと呼ばれるエリア。
アメリカへやって来た頃は驚きの連続でした。
そんな中のひとつ。
バドワイザーの方がコカ・コーラより安い。
うれしい驚き。
そんな時代がまたやってくるかもしれません。
こっちの方はうれしくないですけど。
野球場、コンサートホール、雑誌の裏表紙。
これらはアメリカ最大の広告媒体ですが、
ひと昔前まではタバコ、ビール、炭酸飲料の独壇場。
タバコ、ビールは退場を余儀なくされ、次はコカ・コーラの番か?
スポンサーが消え、流産してしまう文化のないことを願うばかりです。
まさか自動車会社が一手に引き受けきれるわけもなし。
デブ税の前に、飲料水ペットボトルにデポジット課金をしてください。
街はきれいになるし、ホームレスも大助かりです。
おまけ。
ヨーロッパでの驚き。
マクドナルドにビールがあった。
もちろんぼくはセットのコーラをビールに替えてもらいました。