約束の時間にはまず遅れません。
と言うよりも、待ち合わせ場所付近にはかなり早い時間に現れています。
「余裕をもっておきたいから早めに……」
結果としてゆっくりしたいがために早足、
そんな本末転倒に苦笑してしまうことも。
鈍行電車の中、ニヤついているあの男はぼくかもしれませんよ。
約束に遅れることと、人生が2年短くなること。
ふたつからひとつを選べと言われたら、
迷うことなく後者を取ります。
これ、性分ですから仕方ないですね。
そんなわけで、家を出て
故郷である福岡県大牟田市まで要したのは26時間。
早めに着いたJFK空港ではあっという間に手続き終了。
思いっきりタバコを吸い、いくつかの関門を越え、
出発ゲート付近に着いたのは定刻2時間前。
「ここはどこなんだろう?」
フっ、とそんなことを考えていました。
物理的にはアメリカ領土なのですが、
すべての出国手続きはは終わっている。
帳面上、ぼくはどこの国にもいない。
ガラス1枚で仕切られた異空間。
アメリカのようでアメリカでないビルの中。
アメリカではないようでアメリカのビルの中。
よく晴れた冬のある日、
午前9時半の不思議な空間。
飛行機が見える窓際の席に座り、
春巻き、牛肉とブロッコリーの中華炒め、カリフォルニア・ロール
そんな朝食をとるカップルをボンヤリトと眺めていました。
到着ゲートから入国審査窓口までは遠かったです。
大牟田駅から新栄町駅までを歩いているような感覚。
成田・到着ターミナルでは日本を感じませんでした。
「着いた!」そんな実感がわきません。
ここもまた異空間。
この旅ではじめて日本を感じたのは羽田にて。
ウンコをするために腰を下ろした便座。
うっすらと伝わってくる温もりが、
「オカエリ」と身体に声をかけてくれたのです。
チャーシューと麒麟麦酒で乾杯をしました。
飛行機の時間まであと1時間半。