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ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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クール
 昨日読んだニュースの見出しがまだ頭の中に残っていたのだろう。
 まだ暖かくなりきれない昼下がりのパブリック・スペースで、大きなサラダボウルに向かう坊主頭の男を見ながら、見たこともない草を食むブロントサウルスを思い出していた。
 ニュースの見出しは『草食系リーダー像示す原監督』

 答えというものは、探していなければなかなか見つからないらしいが、たまに女神が微笑んでくれることはある。3月28日はそんな日だった。

「お、今年もやるんだ。いいねー」
 ビールを飲みながらインターネットでニュースをチェックしていると、アース・アワーの記事に目が止まる。
 アース・アワーとは「3月28日、世界各地の現地時間で午後8時30分から9時30分まで電気を消しましょう」という運動のこと。できることなら山にでも登って小さな町の使用前、使用中、使用後でも見てみたいのだけれど、酒を飲んでいるくらいだからもう遅すぎる。いや、早めに知っていたとしても果たしてそこまでの行動力があるかどうか……。
 それにしても、どうして点けているものを消すところから始めるのだろう。「夕方から●×時まで」としておけば、次第に慣れてくる目で薄闇を楽しむのもまたおつなもの。なによりも電球を点ける時の突入電流だって半分で済むし、電球も少しだけ長生きできる。
 点けてあるものを消し、そしてまた点ける。一点一点を見るパフォーマンスとしてはこちらの方が劇的ではあるのだろうが。

 記事を読み進めていくうちにある学者の言葉と巡り会い、女神が微笑みかける。
「問題は”すごくクールな”イベントの域を出て、具体的な結果に結びつくかどうかだ……」

「クール」
 この言葉だ。 
 ここ数年間、いつも心のどこかで違和感を感じていた。この居心地の悪さを一言で表せばなんという言葉になるんだろう、と。

 記事はアース・デーを提唱する団体代表のコメントで締めくくられていた。
「WWFは節約できたエネルギーの見積もりを公表しないとのこと。『アース・アワーの価値は実際に照明が消されることであり、省エネではない。私たちはそう考えている』」

 記事を読み終え、中途半端な’クール男はのライトを消して焼き鳥屋へ向かった。
by seikiny1 | 2009-04-01 09:27 | 思うこと
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