ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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2009年 11月 14日 ( 1 )
道化師という生き方 (1)
「もう風物詩と呼べないな」
 この顔を見るのは今年に入ってから3回目だ。天に向けて逆立てた金髪の下のおどけた表情はニューヨークとは馴染みの深いものだ。
 Radio City Music Hallで毎年開催されるRockettsのポスターがホリデーシーズンの到来を伝えるのと同様に、これまでポスターの中にこの男の顔を見つけると「あー、もうすぐ春だなー」とどこかホッとした気持になっていた。しかし、今年は3月のマディソン・スクエア・ガーデン公演も終わり、地下鉄に冷房の効きはじめたころに再会を果たしていた。夏の間コニーアイランドで公演をするという。そしてつい先日、49丁目の地下鉄駅構内で再々会を果たす。ホリデーシーズンをまたいで、新年までリンカーン・センターでやっているらしい。ただし、この公演はいつものRingling Bros, Circusではなく古巣のBig Apple Circusら。景気の低下でNY以外での集客が困難になっているのだろうか。それとも沈んだ人々に笑いを取り戻すためにやってきたのか。

「サーカスに売るぞ!」
 僕らの時代には父親が子供を叱る際の殺し文句だった。だから町中の電柱の腹が極彩色のサーカスのポスターで埋まりはじめると落ち着かない。公園の運動場に設営されはじめるた大きなテントを見ても「見に行きたい」」という欲望や、興味よりも「早くどこかの町へ行ってくれ」という願いの方が強かった。
 少なくともあの頃の日本にはサーカス≒傀儡子といった側面が残っていたのだろう。

 そういう歴史があるからではないのだがサーカスは哀しい。ピエロがおどければおどけるほど、笑えば笑うほど哀しくなってくる。無邪気な子どもたちの歓声・拍手が更に輪をかけていく。楽しいメロディーの後ろには哀しみがつきまとう。5年前に見た最後のサーカスでは、かなりの数に上る中国人団員が時代を表わしているようで印象的だった。

 先日のNY市長選では「三選OK」と自ら条例をひっくり返した1ドル市長が当選を果たしたが、下馬評どおりにことは運ばず、接線の末というおまけがついた。 投票日当日、友人に
「どっちにいれるの?」ときいたところ
「もうひとりの候補者の名前ってなんだったっけ」そんな答えが返ってきたほどだったから。誰もが驚いたのではないだろうか。
 11月を投票日とするのは農業国アメリカの歴史と関わり深い。そういえば、あの日からもう1年が過ぎた。
 オバマ氏が大統領に選出された夜、ある男の顔が何度も、何度も浮かんで、そして消えていった。
 彼の職業はピエロ。
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by seikiny1 | 2009-11-14 02:29 | 日本とアメリカと
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