ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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青テント
 暗記教育の是非について永年いろいろと言われている。いい面もあれば、悪い面もあり、そうそういいとこ取りなんて出来るはずがない。
 当事者であった頃のことはさておき、OBの一人としては、
「あれはあれで良かったのでは……」と思う。

 一番退屈だったのは古典の授業。昼飯後の静かな教室によく響く先生の朗読が心地よい眠りへといつも導いてくれていた。それでも平家物語、徒然草、方丈記などの日本古典、いくつかの漢詩などは今でも諳んじることができる。先生の苦労がまったく報われなかったわけでもない。



 交差点で信号待ちをしていると、正面にあるマクドナルドの横断幕がいやでも目に入ってきた。期間限定で発売されているハンバーガーの広告だ。この国の人たちはで満足することができなくなってきたのか。それとも本格バーガーを求める人が多くなってきたのか。
 どちらにせよ、不景気で悲鳴を上げる外食産業が多い中、マクドナルドだけは着実に売り上げを伸ばしているらしい。
「景気悪くって高ぇとこ行けないけど腹減ったな。McDonald's Resrautantにでも行くか……」といったとこなんだろう。
 皆さん外食がお好きです。

 ハンバーガーの写真に胸やけしてしまい、移した眼の先には青いテントがあった。
 二十年ほど前にはまぶしかったテントが、今、くすんで映るのは単に経年劣化のせいではない。トーンの落ちてしまったブルーの中に、最終電車に乗り遅れ、オロオロオしている中年男の表情が重なる。
 かつてはフロリダにメジャーリーグ球団を所有していたビデオチェーンの前を通るたびに、なんだか申し訳ないような後ろめたさを感じてしまい、うつむき加減で目をそらしながらいつの間にか早足になっている自分がいる。
 そんな時に流れ出すのが平家物語の一節。

~沙羅双樹の花の色  盛者必衰の理をあらはす~

 無常。
 スピード感あふれるこの街は、永遠というもののないことを、永久という時が存在しないことを肌身で感じさせてくれる。変わることの必要性と変わらぬことの尊さを教えてくれる。
 


 初めて永久という言葉を聞いたのは幼稚園の頃だったと思う。
 母親がなにかの折りに、少しおどけた感じで結婚のことを〈永久就職〉と呼んでいた。
 時は流れ、社会も変わり、近頃ではそういった結婚観を持つ女性も少なくなってしまっただろう。若い世代には外国語としか聞こえないだろうし、〈差別語〉とやり込められても不思議ではない。使う言葉にこれほど気を使わなくてはならぬ世の中は、決して幸福な状態にあるとは思えない。

 母にとって永久であるかに見えた就職もまた途半ばにして別の局面を向かえ、やがて別会社の社長となった彼女は、今でも発言権のある会長として元気でいる。

 諸行無常。





 今度のの正月は会長と共に日本で迎えます。
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by seikiny1 | 2008-12-01 09:00 | 思うこと
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