ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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The Winds of God: 空を仰ぐ
気づいたら口をあけているということがよくある。

 夏の空、冬の空、晴れた空、泣いた空、深夜の空、明け方の空。たとえ、それがどんな表情であっても、空はいつも元気を分け与えてくれる。
 小さい頃、よく道端で立ち止まり、通り過ぎていく飛行機を見上げていた。自転車で追いかけたこともある。気づいたら夜空を飛びぬけていく飛行機に見とれていることが今でもよくある。口をあけて。

 空が好きだ。
 こんな僕にもたった一つだけきらいな空がある。
 ぬけるように晴れわたった秋の空。2001年9月11日のことだった。飛行機は、なにものかに吸い寄せられるようにビルディングにめりこんでいった。
“This is KAMIKAZE attack! KAMIKAZE attack!!......”
と連呼するCBSラジオの声に、
「ちがう」
と、いちいち反論しながら朝を迎えた。たくさんの、相手を持たない言葉が闇にかき消されていくのを感じながら。

 今でも、あの時のざらついた気持ちがよみがえってくることがある。


 今朝は、めずらしく霧が出ていて、高層ビルの中ほどから上は雲に隠れて見ることができない。
 重たい空がたれこめていても、この時期のニューヨークは一年のうちでもっとも幸せな雰囲気につつまれる。ホリデーシーズンを迎え、凍てつく風に吹かれながらも、街を歩く人々の表情はどこか穏やかだ。この街の12月は、平和ということを感じ、考える時期でもある。

1941年12月7日
 日本軍による真珠湾攻撃が遂行され、アメリカは第二次世界大戦へ突入した。毎年この日には、新聞やテレビで特集が組まれ、人々は思い出し、識り、平和を喜び、その意味を考える(のだろう)。

1980年12月8日
 ジョン・レノンは自宅であるダコタ・アパートの入り口前で銃弾に倒れた。ひとつの時代の終焉。毎年この日には、セントラルパーク内にあるストロベリー・フィールドにさまざまなバックグラウンドを持つ人々が集い、夜中まで歌声が絶えることはない。

 空を見上げるとき、口があいてしまうのは無防備だから。「なにか」に備える必要はほとんどない。こんな時代に、環境下に生まれあわせたことを本当にありがたく思う。ほんの数十年前、空は恐怖の出入り口だったのだから。今でも、きっと地球のどこかではそうなのだろうが。
自分ではなにもしていない。たまたまそういう現場に居合わせているに過ぎない。

 平和は常にそこにあるものではなく、手に入れるもの。たいせつに維持し、育んでいくものであり、そうしなければならないもの。そんなことを強く感じさせてくれる映画だった。まさに感銘という言葉がぴったりとくる。
 先週の金曜日は真珠湾攻撃からちょうど66年目にあたる。そんな日に1本の映画がニューヨークで封切られた。タイトルは、
The Winds of God

 空を仰ぐ人の口が自然とあいてしまう日がいつまでも絶えることのないよう、ひとりひとりが何かを感じ、その一部でも行動に結び付けていかなければならない。この空は決して常態ではないのだから。
 身近にあるほんの小さなことでいい。

和をもって。
環をつなぐ。



The Winds of God



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by seikiny1 | 2007-12-11 08:34 | 日本とアメリカと
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