ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
お願い
当サイト・メインコンテンツ内にある全ての著作権は筆者に帰属いたします。無断転載及び流用は固くお断りいたします(トラックバックに関しましてはこの限りではありません)。
以前の記事
カテゴリ
I’m NOT just A Plastic bag! (3)
(つづき)

そこには、新宿でクリスピー·クリーム·ドーナツを求めて列をなす人々が映し出されていた。

ニューヨークにいるくせに人ごみが嫌いで、行列が嫌いで。
なにも行列は日本人だけの専売特許ではなく、ゲーム、i-phone、ハリーポッターの最新刊、そして"I’m NOT A Plastic bag!"と大書された有名デザイナー作のエコバッグ。この街にも、こと「初物」に関しては並ぶのをいとわない人達は多い。
エコバッグを求める人達の行列。それは朝からの豪雨ということもあって、どこか滝に打たれる修行僧を思わせた。

「いいんじゃない、僕はゴメンだけど」
今ではそんな気持ちになってきている。

テレビ、新聞、ネット......
あらゆるところでこの行列が報じられ、様々な意見が飛ぶ。否定的な、もしくは「なんでしょうね、これは......」といった印象のものが多い。そん中で気になるキーワードが。
<転売>
この行列のおかげで初めてオークション·サイトというものを訪れた。
そこでは人々の欲望が渦を巻き、競い、妥協をする。その数だけの価値観が、それが一箇所にとどまることなく刻々と変貌していくのも面白い。特に今回のバッグは「旬」の物ということもあってか、ニュースによると売り出し前から出点している人もいたらしい。
そうなってくると「先物取引と中央卸売市場のマグロの競りが一緒になればこんな具合になるのかな?」などと思いながら、移りゆく数字を眺めつつ、その向う側にいる人達の表情を想像したり、と結構楽しませてくれた。

今思えばあの行列はそんなに悪いことはなかった。
あれだけ世間を騒がせ、報道をされて。小さな社会現象と言っても決して言い過ぎじゃないだろう。発売者の思惑がどこにあるのかは知らないけれど、お役所の広報や、環境保護団体による啓蒙活動とは比べものにならないくらいのインパクトがあり、時限爆弾が仕掛られた。奥深いところに。
子供にも、お年寄りにも、これまで全く興味のなかった人達にも、その回路のどこかに<エコバッグ>という名の時限爆弾が仕掛けられた。「そういうものがある」という事実、そういうことを考えている人がいるということは頭のどこかに間違いなくインプットされたはずだ。
買い物をする時、家にたまってしまったPlastic Bagを見る時、
「ん?」と一瞬だけでも思う時があるだろう。それだけでいい。ちょっとひっかかるだけで。

「おしゃれだから」
「ブランド物だから」
「高く売れるから」
「環境を考えて」
「思い出に」
入り口はなんだっていい。
そこから入れれば、そこに入り口があることさえ分かっていればそれでいい。別に出口を探さなければいけないわけでもなく、また入り口から出たって構わない。入り口を見かけ瞬間に、もうそれは<ゼロ>ではなくなってしまっているのだから。
釣竿に国旗をつけたっていい。
人を殴るのはやばいけれど、バットで干した布団を叩いたっていい。
釣竿を買う誰もが釣り師になるわけでもなければ、バットを買えばプロ野球の選手になれるわけでもない。
ただそれを手にした時本人の意思とは無関係に<ゼロ>でなくなるだけ。


雨もほとんどやんでしまった夕方になって、それは起こった。

(つづく)


〓〓〓〓〓〓〓〓〓
○この記事を読まれて<なにか>を感じられた方。
ここを押していただけたらうれしいです。
[PR]
by seikiny1 | 2007-07-25 05:22 | 53rd stories on 53rd
<< I’m NOT just A ... I’m NOT just A ... >>
記事ランキング 画像一覧