ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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許す
 今日は再びサン・アントニオ。明日はテキサス最後の町となるエルパソへ向かいます。


「しょうがないな」
 ここのところそんな言葉が頭の中に浮かび、そして消える。多い時には数分おきに言葉が追いかけっこをくり広げて見せてくれる。

 僕は基本的に相手のプライベートに属するものを聞くのが好きではない。名前そして「パッ」と見た印象、あとはその後に積み重ねていく相手の歴史、ただそれだけがあればいい。それは自分がそういった材料で判断を下されることを嫌う裏返しなのだろうけれど。
 そういったわけだからだまされもすれば、苦い思いもする。学ばない人間とはこんな者を指すためにある言葉なのかもしれない。とにかく自分と相手の関係では「しょうがないな」と思う程度で済むことがほとんどなのでいいのではないだろうか。僕の人生のほとんどは「しょうがないな」でできている。たぶん幽霊には一番向かない性格だろう。
 ただ、そこに三人目が入ったときはまた別の話になってくるのだけれど。人間関係とは三人以上を指して言う言葉だと僕は思う。それがまたややこしく、だからこそ面白くもあるのだろう、きっと。

 偶然のことから、今一緒に仕事をしている相方の正確な年齢を知ることになった。想像していたものと十ほど違うことになる。人を見かけで判断するのはやはり難しい。彼は十分に敬われ、いたわれてよい年齢に達しているといっても決して言い過ぎではない。
 そして実年齢を知った次の瞬間に自分の中で変化が起こっていた。ある程度のことは<許せる>ようになっていた。これまでは彼の行動に時には腹を立て、時には力を落とし、また時には「コイツアホと違うか?」と真剣に考えていた。そんなことも同時にどこかへ流れてしまった。
 残った言葉が「しょうがないな」。

 そこで一段落つくはずだった。それだったらどんなに楽だったことだろう。しかし世の中そんなに甘くはないようだ。その数時間後には
「いや、待てよ『○○だから』」
 ○○の部分には様々な言葉が入る。誤解を怖れつつ書けば、
 -女、子供、年寄り、身体が不自由、頭が悪い、堅物-などなど。その気さえあればどんな言葉でもねじ込むことができる。これほど自分を納得させるには便利な言葉はあまりない。ただ、そのいづれの場合も自分だけひとつ高いところに立ったような気になってハンディ・キャップを持つ者を指しているような気がしてならない。
「しょうがない」
 その言葉の裏側には○○でなければできないことだってたくさんあるのに、そんなことは忘れてしまっている。

 便利な言葉:「○○だから」で自分を納得させることは、その時点で相手をひとつ低いものとみなし差別してしまっている。そうされることを嫌がる○○だってたくさんいるはずだ。それなのにこちら側で強引にそこに落ち着けようとしている。

「普通に見てよ」という言葉が聞こえてくる。
 もちろん「○○だから」こそ、いたわらなければならない点もあり、あちらがわも<そこ>にほのかな期待をいだいていたりすることもある。その辺の兼ね合いがとても難しく、ここのところ着地点を見つけようとしているのだけれどそう簡単に見つけることができるはずもない。

「許す」ことは「許さない」ということの何倍も難しいことだ。そもそもこういったことを考えてしまうこと自体、僕が差別意識のかたまりであるからなのだろう。いろんな人に会って、いろんな着地点を探していくしかない。近道なんてないはずだから。

 ただひとつだけ言えることがある。
 僕が一番嫌いな人間は○○の上にあぐらをかいてハナクソをほじくっているやつ。虫唾が走りどうしようもなくなってしまう。


○この記事を読まれて<なにか>を感じられた方。
ここを押していただけたらウレシイです。



○新しいブログ《ボーカンシャ》です。よかったらのぞいてみて下さい。
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by seikiny1 | 2006-05-28 11:58 | 旅のボヤキ
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