昨夕、陸路でシカゴからテキサスへ。今朝からはテキサスにいます。この旅はこれからも陸路での移動が続きます。
ダラス、オ-スチン、サンアントニオ、ヒューストン、アルバカーキ、フェニックス、ラスベガス、サンジェゴ、そしてサンフランシスコへ。予定が伸びそうでニューヨークへの帰着は6月下旬ごろになりそうです。
こういった状況下であるからといって旅行ブログにするわけでもなく、ただ僕がニューヨークから動いているというどれだけ。立っている、歩いている場所が変わるだけ。どちらかと言うと少しだけ遠出の散歩といった意識が強いです。それでもどうしても旅先で感じたことが中心になっていくことでしょう。そういったわけで当分の間『旅のボヤキ』といった感じの短文をお楽しみいただけたら、と思っています。
ニューヨークでは拾えないものを拾うことができたら僕はそれでいい。
今 回の旅はドライバーとの二人三脚。ペースがまったく違い、チームワークをとることの大切さ、その難しさをしょっぱなから痛感しどうしです。間違いなく僕のほうが振りまわされているのだけれど。
特に、一人であることが好きな僕にとって、二十四時間常に<誰か>がそばにいるというのはかなりしんどい。きつい。きびしい。こういった中でどれだけ自分を保っていけるのか?それもまたこの旅の試練のひとつかもしれません。とにかくひとりになれないので、このところそのストレス度がかなり高くなっているのが自分でもわかります。この先どうなることやら……。
本当に「走る」という言葉がぴったりと来る仕事を十年以上ぶりにやっている。もちろんこういった動きは僕の本分ではない。それでも引き受けた以上は走りとおさなければならない。とりあえずこの二ヵ月間は「走る」ということで腹をくくった。
それなのにパートナー。
走りません。休みます。忘れ物します。落し物します。なにかをまとめるのが苦手です。落し物をよくします。迷います。あぁ、どうしよう……。
それでもパートナー。とってもいい人なんです。なんとか帳尻をあわせよう。
シカゴからテキサスへ。車は大きなシボレーのピックアップトラック。笑いたくなるようなはやさでガソリンが減っていきます。それにしても一時間毎にハイウェイを降りて給油するドライバー。ガソリンタンクの目盛りはまだ3/4のあたりをうろついているのに。最初の五時間はきっちり一時間。その後は二時間。あんなに忘れ物したり、落し物ばっかりしている彼なのにこういったところはなぜか几帳面。
車への給油の頻度には結構人の性格が表れるのかもしれない。
「まーなんとかなるだろう」
「石橋はいつだってたたくもんだ」
ここのところ運転こそしていないけれど僕はずっと<ギリギリ派>だった。E付近のオレンジラインと仲良しだった。針がそこを振り切っても「あと○マイルは走るな」と余裕を持ちながら走る。それでも一度だってガス欠での立ち往生はない。こういう経験が積み重なった結果として<ま-なんとかなるだろう>度がドンドン上がってしまったもかもしれない。そして……。
一方では時間毎に給油する男もいる。こんなタイプの人は決してホームレスになったりしないのだろう。「前に、前に」と手を打ちたとえ「亀!」となじられようとゆっくりと、しかも着実に進んでいく。そう、テキサスは決してどこへも行くことはない。
ガソリンタンクの目盛り。それを右端を気にする人間と、左端。乱暴なわけ方をするとこの世にはこの二つのタイプの人間しかいないのかもしれない。その二つがなんとかギリギリのバランスを保っているのがこの星。そしてこのトラックにもそんな二人が並んで座っている。
十四時間の予定だった。十六時間が経った今朝九時過ぎ。ダラスまであと180マイル。
「もうだめだ」
ドライバーは根を上げてしまった。州境を超えた最初のイグジットでハンドルを左に切る。仕方がないのでそこのモーテルにチエックイン。
予定は遅れている。ボスはイライラしていることだろう。それでもしょうがない。泣いても笑っても彼(ドライバー)が首を縦に振らない限りトラックは進まない。
結果として昨日、今日と二日間が宙に浮いた。昨日のことはまたの機会にでも書こうと思う。
少しだけイライラしながら、あせりながら突然転がり込んできた休息日を楽しんでいる。モーテルでは一発でネットに接続することができた。さて、次はいつつながるだろう?
「まー、なんとかなるだろう」
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