ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
お願い
当サイト・メインコンテンツ内にある全ての著作権は筆者に帰属いたします。無断転載及び流用は固くお断りいたします(トラックバックに関しましてはこの限りではありません)。
以前の記事
カテゴリ
 一見おだやかなように見えるけれどハドソン・リバーやイースト・リバーの流れは結構はやい。同じ場所から眺めていても、時としてそれは右へ行ったり、左へ行ったり。
 僕達が住んでいるのはそんなところなのかもしれない。川と海の交わるところ。寄せてくる満ち潮と、山からの流れが交わるところ。そんなところを、ある者は器用に、またある者は溺れそうになりながらもなんとか泳いでいる。誰も流れを止める事はできない。時の流れを止めることができないように。新しく生まれてくるものと、消えゆくもの。泳いでいかなければならない。

 時代が移ればそれと共に頭の痛みも変わってくる。かつては考えられなかった頭痛のたねが現れ、難病が消えていたりする。
「そんなこと無視してしまえばいい」、と言う人もいるけれどそこまで器用な人間でもない。

 タイトル。
 手紙が主な通信手段であった頃、こんなことに頭を痛める人はいなかったことだろう。そもそも手紙というものにタイトルはいらなかった。存在していなかった。それは書き手の頭の中にあればそれでよかった。手紙での通信が少なくなり、それと共にその形式も風化していっているようだ。emailにその形式を使う人はあまりいない。そこにあるのは(必要なのは)日付けや宛名などの必須情報を別にすればタイトルと本文のみ。
 本文は簡潔に、時として詳細に書くようにすればいいのだけれど、タイトルには振り回されてしまう。送る方も、受ける方も。
 
 このタイトルというのは、FAX時代の流れを受け継いでemailのフォーマットに使われるようになったのだろう。FAXの場合、その多くはビジネス目的で使われていたのでやはり用件がはっきりしていなくてはいけなかったのだろう。しかし今飛び交っているemailの多くは私信だと思う。
 文章にタイトルをつけるという習慣はほとんどの人にとってなかったもの。せいぜい作文やレポートの表題に頭を痛めた程度だろう。私信にはタイトルはそう必要ではないのかもしれないけれど、それはemailの構成要素のひとつになっている。emailの受信箱を開けば、そこにあらわれてくるのは各種情報とタイトル。そう、タイトルはemailの顔。本文と同等に大事なものであると僕は思う。
 初対面の人を顔で判断してしまう。顔色でその人の状態を推し量る。人間の顔はなくてはならないものであるし、とても重要なその人の構成要素でもある。それなのにemailの顔はどちらかというとあまり気にされていない。でも僕は気になってしまう。

 emailアドレスを公開している事もあって色々なメールがやってくる。様々な表情をしている。そして結構顔に左右されている事もある。本文の印象まで変わってきてしまう。
 一番いやなのはノッペラボウ。タイトル欄が空欄のままのもの。ほとんどの場合開けずに削除する。
 次は僕の顔がそのままのってくるヤツ。左の方に落書きのように《Re》とついていたりする。中身を見てみると、かなり以前に出した何の関係もない昔のメールが引っ付いていたり、タイトルとまったく関係のない内容であったりする。そんな時メールの裏側に差出人のネボケ面が見え隠れしだす。
 ただ、ビジネス上の連絡で<何に関しての返信であるか>を明確にしなければならない時はこの限りではない。僕はこれまで《Re》付きのメールを送ったのは数回のみ。失礼なメールに対しての僕のささやかな自己主張。

 タイトルを見た時の自分のことをいつも重ね合わせて頭を痛める。これはまったく個人的な悩みで、多くの人にとっては意味のないことかもしれない。それでも悩んでしまう。少なくとも「空欄よりはましかな」、と。一番最初に相手の目に触れる情報以外のものなのだから、これをうまく使わない手はないと思う。それだけで誤解が生じたり、コミュニケーションがギクシャクしてしまう可能性がないとはいえないのだから。それならば、少し頭をひねってマイナスをプラスにしようと思う。
 ふてくされた顔、不審な顔ではなく笑顔で話したいから。
「寒いですね」、「こんにちは」それだけでノッペラボウは笑ってくれる。

 日本の町を歩く時、スポーツ新聞を開いた時にいつも感心してしまうのが風俗店の店名やキャッチコピー。それはそういったお店の顔と言うこともできる。本当に感心させられるほどにうまい。日本人は短い言葉に様々なものを込める才能を持つ、世界でも類を見ない民族だと思うのだけれど。
 それでも迷惑メールフォルダーにはいってくるSPAMメールで「開いてみたい!」、と思わせる、メールはほとんどない。まだまだ、顔としての認識が低いのかもしれない。

 きれいに化粧する必要はないけれど、いつもきれいに洗ってひげを剃っておきたい。そしてできることならばいつも笑顔で。
[PR]
by seikiny1 | 2005-11-25 07:44 | 日ごろのこと
<< 冬の隣人 串をめぐる旅 >>
記事ランキング 画像一覧