ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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10 for 10(つづき)
 そんなスーパーマーケットたちも離合集散を繰り返し、名前が何度も変わったりしながらもお競争を続けている。それはこれからも変わることはないだろう。
 いつの頃からか、BUY 1 GET 1 FREEの文字にも、以前ほど心が踊ることはなくなった。気付いてみると、各スーパーマーケットが発行するお客様カード(無料)が流行り出していた。申請書に必要事項を記入すると、その場で会員になることが出来、バーコードつきのカードを発行してくれる。百円ライターより一回りほど小さいカードをキーホルダーに十枚以上つけている人も決して珍しくはない。それは決して格好のいいものではないけれど、アメリカ人はそれほど気にはしない(そういえば、キーホルダーにたくさんの鍵をぶら下げているアメリカ人にあこがれていた時期もあった)。
 チラシなどを見ると“CLUB MEMBERS ONLY”(会員様限りのご奉仕価格)の文字があちこちに見える。同じ頃だろうか、BUY 1 GET 1 FREEの文字の横に<must buy 2>(二個お買い上げのお客様のみ)の文字が見え始めた。一個しか買わないお客さんは定価を支払わなければならない。半分を買えば、残りの半分がついてくる時代は終わりつつあった。そんな頃、「アメリカも元気がなくなってきたな~」、とことあるたびに思うようになっていた。別に、売り方がセコイとかそういうのではなく、国自体の勢いがあまり感じられなくなってきていた。
 おおらかな国アメリカ。おおざっぱな国アメリカ。いい加減なようで、芯の通っているアメリカ。Take it easyの国。
 同じ頃だろう、GAPが、J.CREWが、Eddie Bauerが、Banana Republicが大掛かりな店舗を本格的に展開し始めたのは。
 個性的なニューヨーカーが無個性に見えてきた。街行く人が似たような顔つきをしている。

 物は大事にしなきゃいけない。無駄は決して美徳ではない。リサイクルはしっかりしなきゃいけない。限りある地球の自然、資源を守るために。
 よくわかっている。
 それでもこの国は大量なものが流れていなければ、元気がなくなってしまうような気がする。みょうに小さくまとまってしまっては、この国らしくない。この国のいいところがどんどん死滅していってしまう。
 目に見える無駄。目に余る無駄。そんなもの達をどこかでバランスさせていく事で、この国は生き生きとし、そして色気を発するのかもしれない。
 小さな冷蔵庫しかない家庭をこの国で見たくはない。
 最近では、日本並みのサービスを目指しているスーパーも出来はじめ、そして認められつつある。それでもなぜかこの国ではピンと来ない。やはりなにか物寂しい。らしくない。
 街でフルサイズのキャディラックを見ることはほとんどなくなってしまった。

 人と同じように、社会や団体、そして文化にも<風>というものがあるはずだ。

 「大家さんに捨てられてしまう前に」、と階下へ白い袋を拾いに行った。
 近所のスーパーマーケットのチラシ。一面の、一番目立つところに<10 for 10>の大きな文字が。最近よく見かけるようになった売り方だ。10個で10ドル。この国も少し元気を取り戻してきつつあるのかもしれない。
 10 for 10の文字の下に三種類の品物の写真。
 フランクフルトが1パック。ホットドッグ・バンズが1袋。ザワークラフトの袋。
 10 for 10をまともに買ってしまうと、ホットドッグ百本の出来上がり。しめて三十ドル。悪くはない。まだ少しだけ暑さの残るニューヨーク。今週末はあちこちでBBQの煙があがるのだろうか?このホットドッグもまた夏の忘れ物なんだろう。アメリカ版の鍋、BBQ。日本のスーパーのチラシは、鍋物の食材が顔を出し始めているかもしれない。

 この10 for 10の大売出し。
 あと一ひねり欲しかった。「全てをお買い上げのお客様には、ケチャップかマスタードをもれなく進呈」。こういったジョークのようなサービスが出来るようになった日こそ、またアメリカが明るい笑顔を取り戻す頃だと思う。

 BIG MaCが大きく見えたのは、はるか遠い昔。

 Automatic Check Out Systemの機械も最後に
“Do you have any coupon?”ときいてくれる国アメリカ。
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by seikiny1 | 2005-10-07 10:46 | 日ごろのこと
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