ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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三波春夫

 プリンターのインクが切れた。買わないわけにはいかない。現代人の生活に慣れきってしまうと、それは常に不便と背中合わせである事を感じさせられることが多い。
 近所のインク・ショップでインクカートリッジを買う。価格はメーカーの純正品の約三分の一。写真などの画像を印刷される人にはまた別の意見もあるのだろうけれど、僕の場合は黒しか必要でない場合が多いのでこれで十分に事足りる。

 さて、インクカートリッジや携帯電話に代表されるような電気子機器のバッテリーなどの種類の膨大なこと。そして値段の高いこと。これは一体どういったわけなのだろう?互換部品があの値段で販売できるのだから、大メーカーができないということは絶対ないはずだ。やらないだけ。やりたくないだけ。部品を売り続けることでしか存続できないメーカーたち。
 こんな事を考えていたら、子供の頃よくラジオから流れていた《トヨタ純正部品》という宣伝文句を思い出してしまった。純正部品を強調していたということは、どうやらあの時代からメーカーは廉価な互換部品に悩まされていたのだろう。もちろんプリンターのインクと自動車部品では一概に比べることは出来ないかもしれないが、視点を変えてみるとプリンターという機械がなんと安く売られているか、という事になってくる。ここ数年はコンピューターを買えばプリンターがついてくる。そんなお店があちこちにある。メーカーは部品を売るためだけに機械を開発しているのかもしれない。
 そうしてプリンターを手にした瞬間に、交換部品を買い続ける事を約束させられる。たしかにプリンターはあれば便利なので、ついつい使ってしまう。必要以上に使ってしまうことすらある。使う、買う、使う……。まるでドラッグの魔の循環のようだ。
 もちろん純正品でない粗悪品を使った場合には、本体自体が壊れてしまう可能性もある。そして、それはメーカーの保証外の事になってしまうのだろう。説明書のどこかに必ず明記されているはずだ。こういったメーカーは部品を売り続けなければ、その命脈を断たれてしまうのだから。そのために本体を安く提供しているのだから。やはりこの構図はドラッグ中毒と似ている。
 <交換部品が高い>→<互換品が出る>→<メーカーは新製品を次々に開発する>……。
 この構図は誰かが変えなければならない。こんなものに乗っかっている経済は間違っている、いつか必ず破綻してしまう。

 三波春夫は言った「お客様は神様です」。

 僕がサラリーマンをしていた頃のこと。アメリカに進出した某機械メーカーのエンジニアと酒を飲みながら話す機会があった(その特殊機械の業界は景気の動向が一番最初に現れるという。その頃は日本のバブル経済がかげりを見せだしていた頃だった)。日本から進出した各メーカーの中で、そのメーカーだけは元気だった。話の中で彼は言う。
 「ウチも作ろうと思えば何だって作れます。車にたとえるならばフェラーリだって、カウンタックだって作れます。その技術も力もあります。しかしカローラしか作りません」
 彼の勤める会社が常に腐心してきた事は、数十種類もある大型機械の部品間でいかに互換性を持たせることが出来るか、ということだったという。それは部品製造のコストと在庫を極力抑えることが出来、それに伴う流通コストや人件費をはじめとして莫大な予算の削減をすることができる。そして輸入品であるにもかかわらず常に在庫があるということ。注文を受けたらほとんどの場合は翌日に発送が出来る、というシステムを作り上げたという。お客からの信頼度が、機械販売につながっていった。
 客の立場に立ち、一緒に伸びていこう、という考え方。そして勝者になった。

 その時に利を上げる、それが全てではない。
 商売だけではなく、そんな所に立って物事を考えると何かが変わる。ちょっとくらいひもじい思いをしても、辛くっても。

 同僚の韓国人:Ahnが客からの苦情を受けた後、苦笑しながら言った。
 “Customer is always right”
三波春夫がいるのは日本だけではないようだ。そして今の時代にも彼は生きている。
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by seikiny1 | 2005-04-29 13:48 | 思うこと
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