ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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伝言ゲーム
「エーっと、まずリセットをかけてですね、左に回し35で止めて、次に右で25、最後に15で開きますよ」、と男性は説明してくれた。
 番号式の南京錠を開けなければならない機会があった。
 -開かない-
 何度やっても開かない。十分ほどかけて何度もやってみた。それでも開かない。途方にくれた頃、隣で同じタイプの南京錠を開けている男性が目に入った。神にもすがる思いで、男性に開け方の教授を乞う。番号を伝えるとヒョヒョイという感じで開けてくれた。何のことはない、<右>と<左>が逆で、「二回、一回まわさなければならない」、という説明が抜けていたのだった。
 最初に開け方を説明してくれた男性は、電話でそれを人に訊き、その人は電話口で英語の説明書を見ながら日本語で伝えていたようだ。どこでどう狂ってしまったのかは僕にはわからない。ただ、CCW(カウンター・クロックワイズ)とCW(クロックワイズ)がこんがらがって、Turn Twiceが抜け落ちてしまったようだ。
 昔、学校のバス旅行でガイドさんにやらされた伝言ゲームが頭をよぎる。

 子、孫、曾孫……。情報とはただでさえ不確かであるものが多いのに代を重ねる事により、それ自体が変形してしまうことがよくある。
 その過程での誤解もあれば。「ここは教えなくていいや」、「こんなこと言わなくても普通わかるだろう」、「だいたいこんなもんだろう」、「こんなネタ適当にやっとけばいいさ」……。情報という最も客観性が必要なものに主観が入ってしまうことがある。しかし、多くの場合、受け手はそれを<確かな>情報として消化してしまう。
 受け手にも多少の責任はあるかもしれないけれど、やはり伝え手というのは正確かつ客観的であるという姿勢を崩さず、忘れずにいて欲しい。たった一言で人生が変わってしまうこともあるのだから。

 数誌の日本語フリーペーパーがニューヨークには存在する。多くの日本人にとって、それは貴重な情報源である、と言っても間違いではないだろう。
 情報誌を謳うそれらの情報に泣かされた事が何度かある。どうやらインターネットで調べたらしき情報をそのまま誌面に流し込むことも多いようだ。特集として冒頭に載っていた情報の一部に踊らされ、着地場所を見失ってしまったことすらある。(作り手も、読み手も双方共に)便利な世の中になったものだ。そんな情報に頼ってしまう自分がまた不甲斐ない。
 簡単に情報が手に入ってしまう。
 これだけ質にこだわらない情報が多量にあると、よほど取り扱いに注意を傾けていなければとんでもない事になってしまう予感がある。とりあえず、今は些細なことですんではいるのだけれど。

 ニューヨークで三十年間情報を発信し続けた日本語情報誌(有料)が、ごく最近、休刊を宣言した。
 十年程も昔の話になるけれど、そこで得た情報を元にセントラル・パークで開催されたコンサートへ行ったことがある。会場へ行くと日付が一週間ずれているのがわかった。「見間違いかな?」、とも思ったが家に帰って再度確認するとやはり誌面の日付ではそうなっていた。しかし、最後に「日程は予告なく変更されることがあります。なお、インフォーメーション他の内容については当社では責任を負いかねます」、と言った旨の事が書かれていた。
 こういった一文を、最近ではすごい勢いとなってしまった(某大手新聞社ですら、1年余ほど前にNYを撤退してしまった)フリーペーパーであまり見かけることはない。そこにある言葉が、まだ幼児語に聞こえてならない。
 情報の発信源であることの自覚と、責任。それに姿勢を見直す時が来ているように思う。

 情報をう飲みしてしまうことなく、自分なりに調べてみることはとても大切なことなのではないだろうか?時と、場合によっては全く故意にだまされている事すらありえるのだから。
 番号式の南京錠のように、最初に一度リセットしてしまう手もある。

 関東大震災の直後、ある情報が口から口へと飛び交い東京が一時パニックに陥ってしまった事があったらしい。
 結局、それは何の根拠もない誤りであったらしいのだが……。
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by seikiny1 | 2005-03-19 13:35 | 思うこと
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