ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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自死
無料より安いものは?
思い当たるのは、
品物・サービスを提供された上で金銭を受け取るということくらい。

そうそうは転がってない。
とりあえず見つけることができるのは、
某有名C大学病院等が実施するドラッグ・リハビリ・プログラム程度。
入院し、治療を受けてウン千ドルを受け取る。
ドラッグやめれて、お金。
いいじゃないですか。
15年位前で3000ドルだったけど今はいくらなんだろう?

もちろん対価として医学生らのおもちゃとなるのだから、単発の仕事と言えないこともない。

かつて、
何度も考えて、やめた。
モルモットにはなりたくない。

無料でもなく、報酬もなく。
それを考えたらモルモットらが哀れでならないね。

対価の低い分無料の方がまだましだ。
危険は少なく、低い。
でも慣れてしまうとジワジワやってくる。


日本での幸福をひとつ。
コタツに寝転がってると
「ハイヨ」
新聞がやってくる。
とはいっても、
新聞屋さんが
「おじゃましまーす」
挨拶をして、靴を脱ぎ揃えたあとに
「毎度!」
と廊下をやってくるわけじゃない。
母が新聞受けから配達を担当してくれるわけだが。

むろん、新聞屋さんには毎月支払いがされている。


コタツに寝転んで読む新聞。
幸福だったのはそのことではなく、
良質のものが身近にあるということ。
各新聞の論調、横暴、扇動の話はしません。
寝ているだけで良質の日本語読み物がやってくる環境。
常に触れることのできる存在として。
思想抜きで読んでおもしろかったり、呆れたり。
呆れてはみても読み物として良質であることにかわりはない。
触れられるところに良質のものがあり、
対価として金を払う。

「これが身銭を切るということか。身銭の幸せか……齢をとったもんだ」
肘枕でを考える。


無料紙の普及で、NYにいながら日本語に枯渇することはなくなった。
手を伸ばせばとりあえず日本語を、新しい情報を読むことはできる。
ただ、与えられたものが泥水であるか美酒であるか。
砂漠では泥水だって飲んでたくせに。


枯渇することはなくなっても、
成田ではス相も変わらずスーツケースが重量オーバー。
本と焼酎は小さくても目方がある。
渇きが潤ってはいなのを深部が自覚をしている。

無料紙とはある面において、
漂流中にがぶ飲みしてしまった海水といってもいい。


「最後のときのために……」
大切に船倉にしまっていた真水の樽。
(やっぱり海水じゃダメだな)
船倉に下りてみると樽には穴が開いてしまっていた。

Y新聞は撤退し、
質の高い雑誌だったOニュースも消えた。
無料紙以外で残存するのは、
N紙とA紙のみ。
どちらも高価で定期購読する気は今のところなし。
難破船に横付けされた商船で唯一売られているのは、
高級飲料水のみとなっていたわけだ。
パリス・ヒルトンが飼い犬に与えるような。

「ちょっと前まではHolland Spring、Deer Creekなんて手ごろのもあったけど、
みんな水道水ばかり飲んで買わないんだよねー。
盛ってても損するばかりでやめちまったよ。
今あるのっていえば、たまに酔狂な奴が買ってくこのオタカイ水だけさ」
売り子は言う。

むかし、むかし。
水道の水はただ同然だった。
「ゴクゴク」
「おいしい」
と飲んでいた。
今では多くの人がペットボトルの水を持ち歩く。
一方では、ぼくのように水道水を飲みつづける者もあり、
最近はペットボトル派に水筒回帰の動きもある。
ペットボトル入り飲料水の社会的・健康的よしあしではなく、
無料と有料のあり方としては実に理想的な関係。
選択できるということが。
手の届くもののあるということが。

無料という安易さに手を出した結果として、
良質なものを駆逐してしまった。
読みたくても読めない良質なもの。
読みたくなくても読んでしまうもの。

表面上活字の枯渇からは救われたが、
今「それは自死ではなかったのか」
そんなことを考えている。
海水を飲んでしまった、と。
喉が焼けている。

雨を待つしか術はないのか。
それとも蒸留水を作ろうか。
諭吉さんが無料という言葉も自由とすりかえておいてくれたら。


《居酒屋 革命》の無料焼酎。
どうなっていく。
ま、こんな男ですから、
いざ金を払わなければならない段になると、
きっとブツブツ言うことでしょう。



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by seikiny1 | 2010-04-28 07:53 | 日本とアメリカと
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