ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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ゲップ
久しぶりに逆走する自転車に出会った。
ほとんどのストリートが一方通行のNY。

顔の下半分はヒゲに埋もれてる。
長髪、35歳くらいの白人男性が丸めた背でフラフラと。
最近のNY、自転車社会は手入れの行き届いた日本車みたい。
権利主張の対価として義務の履行を強要され、
ポリスは駅員のように違反切符を切り出した。

日本の町を、歩道を歩いていて一番怖いのは、
後ろから駆け抜けていく自転車。
携帯画面を見ながらだんだんと近づいてくる歩行者。
日本の歩道は普通の歩行者にとって、
決してやさしいエリアじゃない。

あたりまえのことかもしれない。
それでも
「なんだかなー」。
疑問符がつきまとう。
横断歩道がポツリとしかない車道。
信号のない横断歩道で待っていても決して車は停らない。
車の切れ目を狙い、万引きをするようなタイミングで横切る。
これほど車にやさしい町は世界でも珍しいんじゃないか。

すきあらば車道を横切る歩行者。
信号は選択肢のひとつとして道路の角に立つ。
白色をつけたり、赤色を灯したりしながら。

途中まで渡り、いきなり引き返す人。
目力で車を止める人。
斜めに横断する人。
押し売りウィンドシールド拭きを初めて目撃したときには、
この国がもつエネルギーの高さに圧倒された。
タイムズ・スクエアだった。
今ではあれも遺物。


歩行。
唯一の交通機関が足という時代が6年ほど。
東京ほど広大ではないマンハッタンでは、
この自前機関でもかなりのエリアをカバーすることができる。
急ぐということのない生活であれば。


「直角クン」
そう言われることがある。
横断歩道の白い枠内を直進し、
歩道の足を踏み上げてから曲がる。
右に、左に。
意識していないこともないけれど、
躰が動いていることの方が多い。
車道を斜めに横切った同行者は苦笑をまじえて待っている。


長期間にわたり積み重ねていけば、
ある日、莫大な量になっているということは誰もが知っている。
無意識にやっていたあの頃。

信号なんて関係はない。
交差点は必ず斜めの線をつける。
車をにらみつけながら。
足の時代。
直角三角形にいは斜辺しか存在していなかった。
積み重ねた距離と時間はどれほどの山になったろう。

今、ぼくは横断歩道を真っ直ぐに渡り、
信号を遵守する模範的市民。
絶滅危惧種というよりもバカ。
この範疇においては。
その上、ガキに追い越されるほど歩みがのろい。
信号で立ち止まるぼくをイグアナでも見るような眼でのぞきこむ人々。
ゆっくり歩く。


日本の友人で一時期公園に住んでいた人がいる。
別に公園オタクだったわけではないが。
彼は今でも公園をどこかで避けているという。
あまり好きでないという。
嫌いではないらしいが。
躰のどこかが避けているのだと。
花見には行かない。


おなかいっぱいになってしまうと、
大好きなお好み焼きも食べる気はしない。
しばらくは見たくもない。
食べ放題は、
順番、配分、ペース……。
躰を科学しながら取り組まないと
「あー、モトとったね」
笑顔でため息をつくことはできない。

あーあ、欲しいな無限胃袋。


カーペットの敷かれた幅2mほどの仕事場の廊下。
トイレへ向かうと向こうから人が歩いてくる。
右側通行なのか、左側通行なのか。
最近は至るところで混乱が生じる。
斜めについた自分の足跡を後頭部にある目で見ながら、
花見に行かない友達のことを考る。



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by seikiny1 | 2010-04-24 12:19 | 日本とアメリカと
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