ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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西インド諸島
目で、耳で焼きつけたものよりも、
匂いや味覚の記憶の方が鮮明であることがある。

今朝の話。
地下鉄への階段を下りながら、
Port Authority Bus Terminalの匂いをかいだ。
古い匂いだ。
今日がぼくの誕生日であることと無縁ではない。
48回目。
その上、あと5ヶ月でアメリカ生活24年目に入る。
人生の半分というのはやはり大きいな。
12歳の時、
「人生の半分は小学校にいる」
そんなことは考えなかったが。

排気ガス、酸っぱい体臭、乾いた小便、たばこ、アルコール、ほこり……。
そんなものがブレンドされた匂い。
24年前の臭い。
バスのドアを出たときに包み込まれた臭い。


沸点がやってきたのは別のばしょだった。
あたり前の話だがニューヨーク市はニューヨーク州にある。
しかし、ぼくの原点となるニューヨークは、
お隣のニュージャージー州にある。


長い旅だった。
サンフランシスコを起点にあちこちに寄っての旅。
それでも、その日、ニューヨークに到着することは知っていた。

"......New York,,,,,,"
運転手が次の停車地を知らせる。
聞き取りにくいながらも、
なんとかニューヨークという単語だけはつかみとることができた。

言われてみれば通りを歩く人の表情がこれまでとは違う。
弛緩した中にもどこか緊張感がただよっている。
(ぅぉ、お、お、お……)
腹の底でほとばしるものがある。
ニューヨークへ着いた。


バスが停まったのはArmy & Navy Storeの前。
不思議と誰も降りようとはしない。
しようがないからて荷物を手に出口へと向かうことに。
「あんたニューヨークまでだろう?」
「あぁ」
「ここはまだニューヨークじゃないよ。ここはウエスト・ニューヨーク」
「は???」
「まだここはニュージャージーだよ。着いたら教えてあげるから座りな」

なんとか事情が飲みこめて再び席に身を埋めることにした。

約30分後についたほら穴のようなバスターミナルがニューヨークだった。


この街に腰を落ちつけてからも、
バスで、車で「あの」ニューヨークへは何度も足を運んだ。
たまたま見かけたArmy & Navy Storeにお宝が渦巻いていた、
ということもあるけれど身体の底に、
「あそこへ行きたい」
そんな衝動が確実にあった。
いつも小さな興奮をたずさえてその町、
ぼくのニューヨーク。
ウエスト・ニューヨークへ行っていた。


今回の帰国ではJFk空港近くまで別ルートをとった。
LIRR(ロングアイランド鉄道)という中距離鉄道に乗って。

朝7時過ぎとはいえ、
通勤客とは逆方向になるので車内はガランとしている。
「……???」
車内アナウンスに耳を疑う。
電車が滑り込んだ殺風景な駅。
表示を見ると"East New York”


ぼくはコロンブスの気持ちが良くわかる。
彼にとって西インド諸島はまちがいなくインドだった。










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by seikiny1 | 2010-04-13 10:47 | 日本とアメリカと
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