ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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「一万両!」
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さて、さて。
最後に新品の洋服を買ったのがいつであったか。
革ジャンだって腕を通すのは約10年ぶり。
(革ジャンは気力と体力で着るもの。
このことを久しぶりに実感しています)

「……昔ながらのパパ・ママ・ストア」
レビュー・サイトでこの言葉を目にした時にはもう決めていました。

お気に入りの革ジャンの肩口がパックリと開き、
修理をしてくれる店を探していたんです。
近所には中国人の経営するクリーニング屋も数軒あるけれど、
お気に入りのものを預ける度胸が今ひとつ。
(こんなところに、アメリカ人の良心のようなものを求めてしまいます。
自分の中にあるアメリカという姿を)

そんなわけでShoe Repair Shopのクチコミを検索することに。
「やっぱり革の扱いに慣れているところでなくては……」
といった理由で。

小さな。小さな店。
メインの通りではなくて横丁の店。
歩いていけないこともないけれど、
バスに乗りたくなる距離にある店。
(ここは作家:ピート・ハミルが幼少期を過ごしたエリアです)

ドアを開けた瞬間に包まれたのが安堵感。
年季という言葉の他に、表現が見つからない
手垢や、様々な油分を吸ってピカピカの分厚い木製カウンター。
一見、乱雑なように見えるけれど、
実は整理されている預かり品の棚。
すべての商品には10cmx15cmほどの緑色の紙がつけられ、
細かな文字で期日、処理内容、金額などがびっしりと書き込まれています。

縫い物担当はおばあちゃんの方。
「あぁ。これは裏から一回全部開いてやらなくちゃならないね……」
「あ、そー……。大仕事なんだ……。で、おいくら?」
いくらお気に入りとはいえ、古着にどれほどの金額をつぎ込む度胸があるのか、
ぼく自身にもつかめていない。
しばし首をかしげているおばあちゃんが口を開こうとすると、
「OneMillion!!!」
別の方角から、靴担当のおじいちゃんの声が飛んできました。
イタリア訛りの英語。

朴訥という言葉がよく似合うおばあちゃん。
「いや、靴のことならイタリア人のこのわしにまかせなさい!」
終始飛ばす冗談の中に、しっかりと店の宣伝を織り込むおじいちゃん。

ついでにほつれ始めているチャックのステッチも補強してもらうことに。
合計32ドル。
金額は家を出る時に予想していたものに近いものでした。
でも、おばあちゃんの少し困ったような顔を見た時には、
あまり生きた心地がしませんでしたが。
それでも「One Million!」に救われた。
この店に立ち込めていた空気は「仕事」ではなく「働く」というもの。

古着はなにかと手のかかるものですが、
冷たい風の吹く、冬晴れの日、とても幸せな気分になれたひと時。


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by seikiny1 | 2010-02-09 08:48 | アメリカ
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