ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
お願い
当サイト・メインコンテンツ内にある全ての著作権は筆者に帰属いたします。無断転載及び流用は固くお断りいたします(トラックバックに関しましてはこの限りではありません)。
以前の記事
カテゴリ
『ハイカる』  ~前略、レイコさま~
前回、少し季節感について書いたのですが、
ここ数年春の訪れを知らせてくれるものがあります。
出勤途中の人たち、
手に持つものがホットからアイスへ。
アイスが増えるに従い、暖かくなってきます。
人間の感覚ってバカにできません。


b0063957_6304316.jpg




「え?ニイサン、そんなけったいなものあるわけないやろ」

20年ほど前まではどこへ行ってもそんな言葉が返され、
不思議な生き物でも見るような視線を投げかけられていました。

新しいものが定着するまでに、
それが普通のものとなるのに、
どれくらいの時間がかかるんでしょう?
<これ>に関しては15年ほどの歳月がかかったようです。

「いつまで置いてんのかなー」
「このサインいつまで出してるつもりなんだろう?」

今年の冬は、毎朝通りかかるストリート・ベンダー(屋台)のサインを興味深く見ていたのです。
そこにはプリンターから出力された文字で、
"We Have Iced Coffee 《S》$1.50"とあります。
今日の時点でも取り下げられることなく現役であり続けています。


昨日の昼のことでした、少し変わった風景に遭遇したのです。
昼食のあと、ベンチに腰を下ろしてタバコを喫っていると、
一人の男が近づいて、やはり風から身で守るようにしてタバコに火をつけました。

彼のかたわらには高さ20cmほどの白い発泡スチロール製のカップが置かれていました。
ピンクとオレンジの文字で書かれたDunkin’ Donutのロゴがカップを巻いています。
そしてカップの先端からは、さらに別のカップが顔をのぞかせてるのです。
うす茶色の液体で満たされ、白いストローが突き立った透明のカップ。
氷の冷たさから手を守るためにダブル・カップにしているんですね。
実に古典的なアメリカ流発想に、下を向いて思わず苦笑してしまいます。

まったく関係ありませんが、
2週間ほど前のこと、地下鉄の中にダブル・ジーンズをはく女性を見つけ、
なんだかうれしくなってしまいました。

零下のニューヨークでアイス・コーヒーを飲む人がいる。
売る店がある。
異国生まれの邪道な飲み物は、15年の時を経て定着したようです。
もうこれで奇異な目を向けられることもないでしょうが、
いわんや、ここ数年、ビール以外の飲み物を外で買うことがなくなりました。
(買い食いならぬ、買い飲みをしないということです)


日本でも「ググる」という言葉が使われますが、
アメリカでも、googleは普通名詞であるばかりか、
動詞として使われ、いくつかの辞書には記載もあります。
こちらの足はアイス・コーヒーよりかなり早いです。

言葉の定着度合いを測る目安として、<動詞化>というのがあると思います。
一月程前のことになりますが、
「ポチッ、ポチッ……」
暇にまかせてやっていた検索の流れの中で「ハイカラ」という言葉にぶつかりました。
掘り進んで行くと……。
なんと第二次世界大戦前には「ハイカる」という動詞が生まれていたとのこと。

常々思うのは、日本人の言葉に対する柔軟さ、センスのよさ。
ついて行けない部分が結構ありはしますが。
日本に帰っての楽しみは、スポーツ誌などに載る風俗店の広告や、三行広告。
まさに言葉の濃縮パックといった感じで、
「よくここまで工夫できるなー」と頭が下がります。


ぼくが日本にいた頃、夏の暑さと歩をあわせるように、
「レイコ」さんが町中にあふれだしていました。


レイコさん。
今でもお元気でしょうか?
[PR]
by seikiny1 | 2010-01-15 06:33 | アメリカ
<< おしゃべりな<s> 宴のあと >>
記事ランキング 画像一覧