ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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念仏踊り
 運転免許証が失効して10年以上が経ちます。この先の人生で車と復縁することがあるとも思いません。

 アメリカでの車遍歴は置くとして、日本での車。最初で、最後の1台。
 ダイハツ コンパーノ・ベルリーナという車でした。
 
 ぼくよりちょっとだけ年下の、それはかわいいやつ。すぐにすねたり、泣いたりするのですが、そこがまたかわいくて。
 ちょっときつい坂なんかを登ると大きなとめ息をつく。時には、
「ねぇ、ちょっと休んでいこうか……」と吐息まじりに語りかけてきたり。

 たった一つだけの悩み。
 部品が手に入らないんです。メーカーに問い合わせても部品の在庫はなく、中古部品に頼るしかないありません。
 ただひとつの道は、スクラップ前の同型車を見つけて確保しておくこと。これでやっと、ほぼ1セット分の部品が手に入るわけです。ずいぶんと回りましたよ、スクラップ工場を。
 これは今でも旧車と呼ばれるものを愛する人には変わることのない悩みだと思います。特に日本車に乗っている方には。

 ヨーロッパのことは皆目わからないのですが、アメ車に関してはパーツの心配はほぼ皆無。1950年代以降の車だったら車種に関わらずほとんどのパーツを手に入れることができます。
「あ、キャブレターいっちゃった……」
 早ければ翌日には手元に届きます。コルベットのように有名な車だけではなく、ぼくがはじめてこの国で手に入れた1978年製の超マイナー車:Chevrolet Monzaの部品までが手に入るのにはちょっと驚きましたが……。

 アメリカでも日本でも、今年は政府によるエコ・カーへの買い替え補助が大人気でした。アメリカなんて満員御礼で、あっという間に札止めです。日本ではエコポイントなどで家電なんかの買い替えも進んでいるようですね。
 ま、車も、冷蔵庫も、洗濯機も買う予定は全然ありません。ひねくれ者のぼくは、ニュースに映し出される、買い替えに嬉々とする人々を冷ややかな視線を注ぐわけです。
「踊ってるわ」、「踊らされてるわ」、「オメデタイ人たちだ」と。

 アメリカでも大人気のプリウスですが、こちらでのパーツ供給はどうなっていくのでしょう?
 アメリカではなぜいつまでも部品が手に入るか。そのわけは、メーカーがある程度旧式となってしまった部品の鋳型をただ同然で払い下げるかららしいんです。持っているとどんどん税金が発生しお荷物になってしまう。「それじゃ払い下げて勝手に作ってもらおうか」そんな感じなのでしょう。もちろん、それを元に製造して商売になるからこそ、払い下げられる側も喜ぶのでしょうが。
 
 対する日本。
 保守部品製造義務は該当車種の製造打ち切りから8年。
 極端な話ですが、もし、明日、プリウスの生産が打ち切られたら、8年後の大晦日にパーツがなくても怒鳴りこむところはなくなってしまう。まぁ、世界のトヨタさんですから、そんなことはしないでしょうが。もしかしたらその頃はアメリカでの現地生産がはじまっていて、パーツを逆輸入することができるかもしれませんし。

 長く乗り続けるシステムのない日本では、「長く乗ろう」と思っても乗り続けることは難しいですね。車が山中で、雪の中でエンコしてしまうほど心細いことはありませんから。そういった危険を避けるためには、安心のために買い替えなければいけないわけで。

「もっと燃費のいいやつ出ましたよー」の声に首を縦に振るしか現状では方法がないでしょう。
 どんなにいい車でも、愛着があっても15年も経てば廃車。工場はエコ・カーを作るためにフル稼働。モクモクと煙を吹き上げながら。地球にやさしい物作りのために、地球に負担を強いる。世界中の工場がエコにならない限りこの環はほどけないでしょう、きっと。

「地球にやさしいですよ」なんて言われてもね。
「地球にやさしい」と思っているのだけれどそれほどやさしくはないはずです。それよりも、古い車を乗り続けるほうがどれだけやさしいことか。
 
 10年程度の寿命の物を買いつないでいくほどの公害はないんじゃないのかな、とぼくは思うのですが。地球にやさしくありたいなら、新車なんて買わないことが一番です。高速道路なんか1000円でも乗っちゃ全然やさしくない。いっそのこと全線1車線にして、巨大な中央分離帯を畑にしちまえばいいのに。こやしの匂いをぷんぷんさせて。
 
 政府も「買わせる」ことばかり考えずに「使い続けることのできるシステム作り」ををもう少し考えてもいいのではないでしょうか。
「修理できません」
「修理をするとかえって高くつきますよ」
そんな物作りはそろそろ見直されるべきでしょう。

「で、物作って売れなくなったら国が立ち行かんでしょう。どうしてくれんのよ?」
なんて僕にいわれても困るので、こんな時こそ政治家というおエライ方や大会社のお歴々、経済学者が頭をひねってください。
 カセット・テープなんてほとんど見かけることもなくなったけど、カセット・メーカーは生きています。CD屋は消えそうですが、大手レコード・レーベルも何とか食いつないでいきそうですよ。国単位でも何とか活路は見出せるでしょう。実際、ハイブリッド・カーなんてマジックを考え出して業界に新風を巻き起こす頭を持つ人がいるわけですから。

 物を次から次に買い替えさせるシステム。終わりのない経済発展を願い、邁進していく考え方・教育にも限界が見えてきているのではないでしょうか。
「上が必ずしも善であるとはかぎらない」
 そんな教育をするだけでも先々かなり変わるとは思います。進歩だけではなく、雌伏する、一歩下がってみることもまた素晴らしいことだと個人的には思うのですが。


「大きいことはいいことだ……」
 子供の頃にテレビで流れていた山本直純さんが出演していたCM。

「消費は美徳」、「内需の拡大」
 不景気になると呪文のようにどこからか聞こえてきます。

 そして
「エコ」

 こうして見てくると、われわれ全然変わってませんね。
 この数十年。いつの時代にも民衆は喜んで踊ります。踊らされます。政治家の、お金持ちの唱える念仏に、
「ありがたや、ありがたや」と随喜の涙を流しながら踊り続けるんです。

 買い替えというエコ……。
 そろそろ念仏踊りはやめて「ええじゃないか」でええじゃないか。
 
 もぷそろそろ来年のこを言ってもいいでしょう。
 新車買おうかな、チャリの。





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by seikiny1 | 2009-12-29 12:17 | 日本とアメリカと
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