ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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Sのあるなし
<S>がつくか、つかないか。
ただそれだけで印象がまったく違ってくる
やっていることはと言えば、以前とまったく同じことなのに。


ヘタを取り、包丁の刃が種にあたるまで入れ、グルリと果実の側を回す。
切れ目が一周したら、両手でひねるようにして二つに割る
種を取り、皮をむいて。
スライスしたものをラップでグルグル巻き。

アボカド半個につき30cm四方は使っているかな?

客が退ける速度と、気だるさが漂いはじめる速度が飲み屋では同期をする。
酔眼の焦点を合わせるのは面倒くさく、カウンター内の単調な動きをぼんやりと眺めていた。
効率よく仕事をしなければならない彼らには当然の動きなのだけれど、
(もったいねーなー……)とポツリ。


初めてサランラップを目にしたのはいつだっただろう?
「スゲーッッッ!」
伸びる、切れる、ひっつく。
一連の動作を目にした時の衝撃は覚えているのに、
それがどういう場面であったのかをまったく思い出せない。
サランラップ登場以前の冷蔵庫内はどんな光景だったかな?
思い出せない。



「サランラップある?」
「申しわけございません。只今、在庫を切らしておりまして......。
こちら、クレラップでよければございますが」
「あ、サランラップっ」
「こちらでもよろしいでしょうか?」
「うんうん。これ、これ。サランラップ」
「お買い上げはこちらクレラップ1点でよろしいですか?」
「そう、サランラップだけ」
「それではクレラップ1点のお買い上げ、御会計の方が〇×△円となります」
「はい1千両」
「こちら□☆◎円のお返しとなります。おたしかめ下さい。
どうもありがとうございました」
「ありがと」

「おそいでー」
「おとーちゃん。あったで。サランラップー」
「なんやこれ?サランラップちゃうやんか」
「でも、サランラップやて。店員さんもちゃんと『サランラップ』や言うてました。
見てみなはれ、レシートにもちゃんと、ほら『サ・ラ・ン・ラ・ッ・プ』」
「そぅか。まぁ、どう見てもこりゃサランラップやもんな。
なんや、中身はサランラップやがな。箱、間違えよってからに」
「そやそや。言わんかったけど、あそこもちゃんと教育せんといかんなー。
商品の名前くらい憶えさせんと。いくらバイトやからいうて」
「そやな、いくら不景気やからいうてもアルミの箱にサランラップ入れんのはあかんな」
「あ、忘れとった!早よ帰って仏さん巻いてやらんと埃かぶる……」

サランラップはセロテープと同様に、
商品名でありながら普通名詞化をしている。
どこの会社が、どんな工夫を凝らした名前を付けても、
誰もが呼ぶのは「サランラップ」。

ガムはロッテ、野球は巨人。
(野球の方は今年はいけそうか)
カレーはハウス。
(マースカレーも好きなんだが)
ビールはキリン。
(そうだね、サントリーと合併したら)
マヨネーズはキューピー。
(『松田のマヨネーズ』というのが美味いらしい)

たとえ巨人が優勝しようとも、最近の彼らにサランラップの力はないな。



新聞紙を貼り合わせた袋が八百屋から消えた頃。
豆腐屋からの帰り、鍋の中で揺れる水を気にしなくもよくなった頃。
宝石のようにモミガラの中に鎮座していた卵がパックに入りだした頃。
醤油の計り売りがなくなった頃。
...............
ラーメン屋の出前が<ビニール+輪ゴム>からサランラップに変わった。

こうやって書いてみると《おつかい》から学んだことは実に多い。
そういった意味でも、今の子供達はかわいそうだな。


実はサランラップを切って使ってるんです。
30cm幅のものを半分にしたり。
時には4分の1に。
相手はトマトだったり、キュウリだったり、コップだったり......。
もちろんアボカドである時も。
1本が2、3ドルなんで大した節約にはならないが、もったいなくって。
性分でね。
根がセコイもんで。
もちろん、スイカの時は切りません。

かつて「セコイ」とか「ケチ」と言われたり、思われてきたことが、
今では「エコ」という言葉で語られる。
やっていることには、なんの変わりもないのだけれど。
「実にいい世の中になった」とセコイ男の胸は晴れる。

またいつか悪い時代がやってくるのだろうか?
平家物語は「諸行無常」と教えてくれる。

セコ男からエコ男へ。
Seco男からEco男へ。
Sがあるかないか。
中身は同じ。
Sakai SeikiがAkai Eikiでもいいのだが、
やっぱり僕は自分の名前が好き。




行動範囲の中で小さいサイズのサランラップを見かけたことがない。
日本だと<大>、<中>、<小>と各サイズ揃っているのに。
こんな発想と行動がアメリカ人に勝るところなんじゃないかな。
まぁ、映画『ブルース・ブラザーズ』でダン・エイクロイドが
プリウス型パトカーのハンドルを握っている姿は想像したくないけど。

さて、サランラップを切っている時の僕。
頭の中はSeco男なのか?それともEco男なのか?

はい。
サランラップ、洗って数回は再利用します。
器にかぶせただけ、軽い汚れだけのようなやつは。
立てかけたまな板の上では、今朝もサランラッップが風に舞っていました。
やっぱり立ち居地がSeco男のようで。






「なんやきみ。レジ、打ち間違えとるでー。
サランラップやなくて、クレラップやろ、これ。在庫合わんと困るから、気つけてや」
「......」
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by seikiny1 | 2009-07-28 08:58 | 思うこと
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