ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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僕の好きな先生
僕の好きな先生

【先生】〔もと、相手より先に勉学した人の意〕指導者として自分が教えを受ける人。〔狭義では教育家・医師を指し、広義では芸術家や芸道の師匠・議員なども含む。また、軽蔑、揶揄の意を含めて言われることがしばしばある。例、「先生と言われるほどのばかでなし」〕

【教師】(組織化された教育機関で)知識を授け技芸を指導する立場にある人。「人生の教師/家庭教師・反面教師」
 →→【師】(自分が心から指示し尊敬する)先生

【教員】〔職員・事務員と違って〕学校と名のつく教育機関で教育に直接従事する人。




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 手近にある辞書からの抜粋に従うならば、学校時代を通して周りに先生と呼べる人は一人しかおらず、それが「僕の好きな先生」でもある。
 彼は高校時代の体育の先生で、飄々という言葉がぴったりとくる人だった。担任だったわけでも、部活の顧問であったわけでもなかったし素敵な話なんかしてくれなかったが、ここぞという時にはいつもただ一人だけ生徒をかばい、守ってくれる側だった。
 <師>という言葉にこだわるならば、小学校から高校にかけての12年間、1人を除き、担任・担当をされたすべての方が教員に過ぎなかったのは不幸なことなのかもしれない。また、こんな生徒を持ってしまったあちらにしても。
 もちろん同級生にとっては先生であり、教師であったかもしれないのだが僕には教員に過ぎなかっただけ。
 僕の立ち居地が不幸であったのか、それとも精神が不幸であったのか。
 
 ただの人間に過ぎない教員に完璧を求めるのはやはり酷だろう。それでも、あの頃の僕は先生が欲しかった。

 問題を起こす。起きた。起きてしまった。巻き込まれた。
 そんな時に大人の狡猾さを見てしまっていた。
 怒る、逃げ(避け)る、押し付ける、変節……。
 問題を起こしていながら実にあつかましいのだけれど、そんな時、当事者である僕はまるで他人事であるかのように冷めた目で大騒ぎをする大人たちを見ていた。
 勉強・学問とは違った世界で僕はこの人たちを見ていた。もしかしたら彼等、彼女等はそんな子供の視線に気づき、居たたまれなくなり、結果として不本意なふるまいをしてしまったのかもしれない。
 それにしても、ほんの数人だけでも先生と思える人が身近にいたならばひねくれた大人が一人は減っていたかもしれないのにと人のせいにしてみたりする。

 僕の好きな先生はたったの一人だけれど、僕の好きなおじさんはたくさんいた。
 だからこそ大人になることの希望を持ち続けることもできた。自分はどんな大人になるんだろうと。
 近所のおじさんであり、見知らぬ店のおっちゃんであり、親戚や親の友人であり、友達の親であり、通りすがりの人であったり……。とにかく素敵な大人に恵まれ、そんな大人たちは自分の生きる姿勢で、時にはガキに向かってくそ真面目に説教をたれながら学校では習わないことを教えてくれる。
 学校を出てしばらく経つと先生に事欠くことはなくなった。
 学校時代は付き合いの薄かった同級生、従兄、毎朝道ですれ違うだけの名も知らぬ人々、ガールフレンド……。文字に違うことない生きる・生き残る術を教えてくれたホームレスもいれば、商売のコツを教えてくれた詐欺師、野良猫たちは境界線との付き合い方を、雑草は生と死について教えてくれる。反面教師までを数えるのならばカウントすることなんて到底できない。

 それにしても、職業としての先生、教師、教員は大変だ。年端もいかないガキからはこんな目で見られ、30年以上を過ぎてまでつつきまわされるのだから。その上、最近では「うちの子を劇の主役に」と学芸会では配役に頭を痛め、運動会を開けば1等賞をあげることすらもできない。そのくせ「なんで払わなきゃいけないのよ」と、理屈をこねて給食費を払わないバカ親の所を集金に駆け回らねばならず、まさに一年中が師走である。子供が減っても仕事は増えるばかり、その上こんな状態を目にしていれば教職に就きたいと思う子供たちも減るだろう。
 行くも地獄、退くも地獄とは教員の口から漏れた言葉かな、と疑ってみたくもなってくる。

 彼らの心境はそれこそ「先生と言われるほどのバカでなし」ということだろう。


 僕の好きな先生が贈ってくれた忘れられない言葉がある。
「男なら、言いわけをするな」
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by seikiny1 | 2009-05-14 08:40 | RC
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