ニューヨーク、街と人、そして……
by seikiny1
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ボスしけてるぜ
 月給$800。
 家賃を払った残りは$200で「よくこんなんでやっていけたなー」と今さらながら感心をする。3ヵ月後に$300の昇給がありやっと人心地がついた。もう22年前のこと。
 当時は「このシケた野郎、足元見やがって」と常々悪態をついていたけれど、少なくとも毎月きっちりと払ってくれた上、素人の僕に根気よく仕事というものを叩き込み、グリーンカードまで手にすることができたのだから感謝をしている。当時は憎いだけだった社長とも、最近では酒を飲んだりすることもある。

 僕らが生きた時代というのは、まだ幸せな部類に属するのかもしれない。少なくとも生きる糧だけは保証をされていたのだから。

 そこがどこであろうと生きていくことが大変だ。特に異国で生活をする者達にとっては。まず、生きる立場、権利がなければ弱みをつつかれながら生きていくしかなく、そのために費やす労力、払う犠牲は大きい。ニューヨーク、アメリカで言えばそれはビザを持つことで、条件の差こそあれ全ての外国人に平等な関門だ。手に入れるために人々は何をし、手にした後どう動くか。

 7年前に浮かび上がって来てびっくりしたことのひとつが《無給インターン募集!》という新聞広告。出版社、貿易会社、不動産屋、営業職、小売店、デザインオフィス、画廊、果てはベビーシッターまで。無給で人を使う厚顔、甲斐性のなさと、それでも応募があるという現実。募集の謳い文句に「NYで人脈を広げませんか」などとあるのだからあきれてものも言えない。
 雇われる側は「チャンスの糸口でも」といった思いがあるのだが、企業側の目論見は……。もちろん真剣に「後進を育てる」というスタンスの企業もあるが、残念ながらその数は決して多くはないようだ。「NYで起業」などと言えば実に聞こえはかっこいいけれど、はなっから労働力をインターンでまかなう腹積もりの自称起業家は詐欺師に等しい。中には「NYでインターン!」の言葉に誘われ、ビザを取ることもなく日本の斡旋業者にお金を払ってまでNYにやって来るというおめでたい人までがいるくらいだから、企業にとってはありがたや、ありがたや。
 この状況を見ていると、高い葬式費用にどこかで納得をしてしまう遺族のことを思い浮かべる。

 NYには獏がいる。自分もかつては夢を求めていたはずの奴等がが、いつの間にか他人の夢を食って露命をつなぐ獏と成り下がり、夢をつかんだ男と胸を張る。
 夢を喰われて帰国する人のなんと多いことか。さて、自分の欲のために人の夢まで喰って飲む酒はうまいのか?獏は本来悪夢だけを食べるものだが最近では草食どころか何でも喰うらしい。
 この国に来る人、居たいと思う人には、もっと「自分にとってのNYは何なのか?」ということを考えて欲しい。利用されないで欲しい、あなたの夢なのだから。いやはや情けない時代だ。
 
 さて、20年後に社長とうまい酒が飲めるのは何%くらいなのだろう? 
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by seikiny1 | 2009-05-11 08:44 | RCサクセション
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